一般質問(平成20年9月16日)
件名1「産業振興策について」
要旨1「漁業振興と観光振興について」

議会にて

◆1番(宮戸光 議員) 皆さん、こんにちは。早速ではありますが、市民の皆様の信託にこたえるべく、志高く、信念を持って御質問させていただきますので、前向きな御答弁をお願いいたします。
 また、ネット中継をごらんの皆様、本日、本会議場へ足を運んでくださった皆様、多くの市民の皆様、そして先輩議員、同僚一九の会の皆様、よろしくお願いいたします。
 それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。
 件名1「産業振興策について」
 要旨1「漁業振興と観光振興について」
 質問の冒頭、6月の一般質問時にウミガメが鵠沼海岸に三十数年ぶりに134個の卵を産卵したとお話をさせていただきましたが、何とその卵がふ化をいたしました。やっとカメにも認められるほど湘南海岸がきれいになったということであります。この間には、市民、漁業者、企業、行政などの努力がその陰にあるものと存じます。本市をふるさとの地として選んでくれたカメについて、少し御紹介したいと存じます。

議会にて

資料1

(資料1を提示) このパネルをごらんください。ふ化をしたばかりの子どもです。これが1匹、またこれが1匹という形ですけれども……
(「やっぱりかわいいね」と呼ぶ者あり)
ありがとうございます。かわいいです。県内においては、1960年代から70年代にかけ、静かで人の少ない石ころで覆われた酒匂川河口付近などで産卵することが多く報告されております。本来、カメの産卵は、ふ化のしやすい砂浜で行われるそうですが、昨今の環境の変化によって産卵場所が変化したそうです。波による砂浜の浸食や夜遅くまで砂浜を照らす照明、そしてまた、砂浜への人の出入りなど、産卵可能な砂浜がなくなったということが挙げられます。

議会にて

資料2

(資料2を提示) このパネルをごらんください。今回のふ化ですが、数十個ずつ3日間かけ行われました。ごらんのパネルは2日目に産卵をした子ガメで、体長はごらんのとおり手のひらに乗るサイズです。ふ化をしたのはアカウミガメで、通常ウミガメがふ化をする場合、波打ち際からの距離と高さにおいてそのふ化率は変わってしまうそうです。
(資料2を提示) 次のパネルをごらんください。ふ化した場所から一心不乱に海に向かって歩いております。試しに子ガメを海とは逆の方向へ向けてみましたが、本能なのか、海の方向がわかるようで、しっかりとくるっと向きを戻し、ひたすら海に向かっておりました。アカウミガメの平均ふ化率は数十%と言われておりますが、今回は何と90%以上のカメ、120個がふ化をし、学者の方もびっくりしておりました。
実はこのふ化率の裏には地元の漁師の知恵が隠されておりました。カメが産卵した場所は、波打ち際に近く、大潮などの満潮時には波がかぶってしまい、卵が腐ったり、海に流されたりする可能性があるそうです。親ガメが産卵をしに上陸した際、さまざまな環境の変化によって、本来持っている本能を鈍らせ、産卵を慌てさせたと考えられております。そして本来、産卵した場所を天敵などから守るため、親ガメは産卵場所の周辺をくるくると歩き回り、特定されないようにするそうですが、今回は漁師が砂浜の異変に気がついたということです。漁師の方が産卵した卵を慎重に掘り起こし、ふ化しやすい環境である高台の砂浜へ移動させ、見守ったことがふ化率に大きく影響したと学者は言っておりました。ふ化をするまでの間、砂浜の温度も重要で、低過ぎるとふ化をしないそうであります。

議会にて

資料3

(資料3を提示) 次のパネルをごらんください。長い道のりをしっかりと歩き、いよいよ海に到着です。スムーズに海に入れるかと思いましたら、波に戻され、このありさまです。ひっくり返りましたが、仲間からおくれをとらないように起き上がり、さらに海を目指します。パネルのカメが随分と大きく見えますが、これは近くから撮影しているためで、カメの体長はわずか四、五センチぐらいです。このように、カメの目線、つまり5センチの目線でとらえますと、江の島ははるか沖合に見えます。こう見ますと、生まれたばかりであっても、もう既に大人と同じ体型であることがわかると存じます。
(資料を提示) 次のパネルをごらんください。戻されても戻されても生きていくため、生まれたばかりの子ガメは大海原に向かっていくのです。今回アカウミガメがふ化をいたしましたが、同日、親ガメらしきカメが沖合の網にひっかかったそうです。親ガメは、子ガメがふ化をする時期になると子どもを迎えにやってくるということも、伝説の話のようですが、実際にあるということが証明されたと思います。
このアカウミガメですが、ずっと日本近辺にいるのではなく、北米や中南米メキシコあたりまで回遊しながら成長するということです。さらに環境をよくし、今回誕生したこの子ガメたちが30年後、親ガメとして藤沢の海に戻り、次の世代を誕生させることを願うばかりです。何はともあれ、多くの子ガメがふ化をし、一生懸命海に向かって歩くさまには、私も感動いたしました。
さて、鵠沼海岸は、本市観光資源として夏に海水浴場として活用するため、引地川を挟んで西側の砂を東側へ運搬することになります。そして多くの観光客を迎えることになります。
(資料を提示) この写真をごらんください。引地川の西側はぽっかりとへこんだ砂浜の状態がずっと続いております。大きな波が来れば内陸のほうまで浸食し、昭和時代の湘南ライフタウン開発の際に、残土を防潮堤として運んだ赤土などが顔を出すのではないかともささやかれております。では、どのようにすればよいのか。砂は風によって運ばれますので、砂がたまるよしずなどを、海岸をよく知る漁師の方のアドバイスを受けながら設置するよう県に働きかけることも必要だと思いますが、いかがお考えか、お聞かせください。
ごらんのとおり、よしずが一部管理が悪く、破れている部分も見受けられます。海岸管理者である県にしっかりと管理していただきたいところです。仮に砂浜がなくなった場合の影響ですが、本市の名物であるシラスやハマグリ、またナガラミなどの収穫が見込めないどころか、プランクトンを食すものがいなくなりますので、赤潮の異常発生などの被害にさらされることになるそうです。そして、先ほど来申し上げましたアカウミガメの産卵、ふ化にも影響をもたらします。昔のようにハマユウが咲き乱れる海岸にしたいものです。
せっかく漁業者、市民、行政、企業などの努力により海の環境がよくなっている昨今、さらに自然と調和した砂浜をつくるため、本市としてできる対策などをお聞かせください。
次に、本市では、古くから客網とか観光網と称し、客が一網を買い取り、とれた魚介を料理し、飲食のともとする地引き網が行われております。現在では、この伝統的な漁法である地引き網を守り、それを活用し、体験型漁業、通称漁師の学校という新しい沿岸漁業も行われております。地引き網は、通常沖合300メートルから500メートルに網を打ちますが、5月には産卵のために来遊するマダイなどを対象に沖合2,000メートルに網を打つ我が国最大級の地引き網も行われます。漁場は常に陸側へ網を引き寄せるため、海底は障害物がなく、平滑であることが条件で、さらに、陸側は人力で網を引き揚げるために幅広い砂浜が必要であるということです。操業期間は、通常4月上旬から11月下旬で、操業時間は日の出とともに沖出しを行い、午前中には通常終了いたします。
私も先週テレビ局の撮影ということで、漁業者の皆さんとともに早朝行ってまいりました。午後になりますと、この地引き網でございますけれども、海からの風が強まるため、朝なぎを中心に操業が行われるということです。その結果、古くから半農半漁の村落が形成され、朝は地引き網、午後は農作業という生活が定まったと言われております。すなわち、本市の初期の産業構造基盤をつくったわけです。その産業構造基盤の一つであった地引き網に今危機が迫っていることを御存じでしょうか。
先週、総務常任委員会の中でもありましたが、本市の市民満足度調査報告でも、地元農業や漁業の振興は、2007年度の45位から25位へ大きく重要度順位が上昇、つまり市民の関心度が高く上がりました。また、満足度指数では、2007年度の37位から55位へ大きく下降、つまり市民がいまだ満足していないという結果でございました。全国の地引き網の経営体数は、1971年には1,098経営体、1997年には190経営体と大きく減少、県内においても1972年には65経営体、2000年には17経営体に減少、この湘南の鎌倉から平塚までの地域においても1973年には26経営体、2000年には10経営体、現在では、何と6経営体と物すごい勢いで減少しております。
これら減少の問題はさまざま言われておりますが、最大の問題は、地引き網が来遊する魚群を待ち受ける漁法であり、他の漁法と違い、積極的に魚群を追うことができないことから、来遊魚群の増減の影響を強く受けること、さらに人力を主体とした漁法であるため、効率の悪さと利益が小さいことが影響したと考えられております。
また、漁業体制の変化も影響を与えたと言われております。以前は、漁師と加工場との分業作業で行われておりました。加工場の敷地は干し場などの関係で広かったのですが、藤沢の都市化に伴い、固定資産税などの税金額が増大し、持ちこたえられなくなったそうです。加工場が減少したことにより、漁業者が漁獲物を持ち込めるところがなくなり、漁業者みずからが加工する形になりました。その結果、漁獲量が一段と減ることにつながり、さらなる漁業者の廃業へ加速したと言われております。もし農業の生産緑地施策のようなものがあれば、現在でも多くの漁業者が操業をしていたことと存じます。
そんな中、本市で操業している漁業組合や漁師の方々は、一網10万円前後という金額にもかかわらず、多くの方々のいやしやレクリエーションのため、さまざまな取り組みをなしておられます。例えば網の漁獲高が著しく低い場合のことを考え、あらかじめ朝一番で操業を行い、魚などを漁獲し、藤沢産の野菜とともにてんぷらなどにし、楽しんでおられます。また、さきに述べましたが、体験型漁業と称し、多くの参加団体へ地引き網漁の仕組みや砂浜や海の環境について、さらには魚について細かく説明するなどのサービスが行われております。海上で体験型漁業を行うのと違い、地引き網の場合は陸上で行えるので、一度に多くの方が、そして安全に行えるというのが魅力だそうです。
本市内でも、鵠洋、鵠沼、高砂などの各小学校や、第一中、鵠沼、湘洋、羽鳥、高倉、湘南学園の各中学校で行われている漁業体験学習は評価を得ているところだと存じます。平成19年度の藤沢市漁業組合での地引き網は、幼稚園12件、小学校は24件、中学校は9件、高等学校は2件、大学16件、自治会65件、一般212件、参加人数も約5万人を数えました。学校以外にも多くの方々に活用、利用を楽しまれ、川崎市や横浜市、神奈川県などの各行政の福利厚生、本市内でも、観光課主管、遊行の盆の地引き網や善行市民センターや六会市民センター主管の障害者への地引き網大会など、広くレクリエーションの場となっております。地元漁師の方々の創意工夫により、何とか地引き網が行われておりますが、これからも続けて行っていただきたいものです。
ここで、操業エリアと観光や海水浴場について少々述べさせていただきます。元来、引地川以東――引地川から東です――で操業していた藤沢市漁業組合の漁業者が、県による防潮堤の建設や海水浴場として海岸の一時使用などの理由によって、引地川以西――引地川から西です――へ操業拠点を移動していただいたということです。加えて、この引地川以東の砂浜はいまだ操業エリアであり、つまり漁業権はあり、ハマグリなどの養殖場として活用することができ、もちろん拠点をもとに戻すことも法的には可能なわけであります。仮に拠点をもとに戻すことになりますと、現在西浜にて操業拠点を持っている網元のような形となるため、施設をつくるために防潮堤の一部を除去、さらには公園の一部を変更するなど、大きな手間がかかるほか、時間もかかります。そして、そうした場合、砂浜での操業エリアは、県営の中央駐車場あたりから引地川までのエリアとなり、西浜海水浴場は今の半分になります。
同僚の竹内議員からもお話がありましたが、6月に一九の会の皆さんと江の島観光誘客活動に出向きました。私は本年1回だけしか参加しておりませんが、観光課や観光協会などの積み重なる努力によって、多くの観光客がこの藤沢を訪れておることと存じます。がしかし、幾ら誘客活動を行っても、海水浴場エリアが狭くなっては元も子もありません。ビーチバレー会場や各海の家、江の島花火大会の開催ほか、マイアミビーチショーの各イベントまで影響を来すことになりかねません。
湘南海岸の特徴は、常時は漁業者が操業し、さらには、サーファーの方々もサーフィンを楽しまれ、夏場は観光地として海水浴場として活用され、全国的に見てもこのような海岸は珍しく、異例であります。異例であるということを海岸管理者である神奈川県には十分わかっていただきたいと思うところです。海岸に携わる観光協会や海水浴場組合、各漁業組合、そのほか関連する諸団体ともさまざま情報交換をしていただき、漁業振興と観光振興が両立できる藤沢湘南海岸を構築、発展させたいものです。
それでは、御質問させていただきます。
(資料を提示) これをごらんください。これは本市内の小学生が漁師の方にあてた感想文、子ども目線、つまり100センチの目線を預かってまいりました。非常に楽しく、新たな体験にエキサイトしている様子がうかがえます。感謝の言葉はもちろんのこと、多くの子どもが書かれているのは、漁師さんに教わった調理の仕方、特に包丁を使わない調理方法で、帰宅後、御両親を交え、家族みんなで楽しく料理に取り組んでいることです。昨今失われている家族のきずなという意味では、本市の漁業者はその一役を担っております。本市の他の小学校でも漁師による漁業体験教室を催し、児童生徒や保護者の方から絶賛されていると存じますが、教育委員会としてこのことをどのように考えているのか、お聞かせください。今後も続けていくお考えであるのか、お聞かせください。
次に、地産地消、食育という観点からですが、学校給食において、できたら地元産のものを食べさせたいものです。本年、鵠洋小学校にて給食をいただいた際、直接児童の皆さんからシラスが食べたいと耳にいたしました。聞くところによると、本市は鹿児島からじゃこを購入しているそうですが、今後、教育委員会として地場の魚介類を使用した給食についていかがお考えか、お聞かせください。
次に、観光振興からですが、本市の地引き網は全国的に定評であり、多くの方が利用されております。今では観光地引き網として本市の風土となっております。また、本市のシラスは湘南しらすという名で名物となっており、とれたての生シラスを乗せたどんぶりものなどはもとより、今ではシラスを使ったパンやチーズボール、またシラススパゲッティなどの加工品も観光客の胃袋を喜ばしております。さらには、シラスツアーと称すツアーも、埼玉など県外から来るようになりました。シラスや地引き網の影響は大きくなっている昨今、今後、観光振興策全体の中での地引き網の位置づけや存続のための対策として何か考えているのか、お聞かせください。
次に、産業振興面からですが、漁業は申すまでもなく、本市の胃袋を支え、漁業者も努力に努力を重ね、現状を何とか維持しております。今後、漁業組合や漁師が使っている倉庫や網干し場、そのほかの施設などの新設もしくは増築、改築の際には、本市としてしっかりとサポートをしていただきたいと存じますが、漁業を振興していくという観点からいかがお考えか、お聞かせください。
本日は、本市の食を支える多くの漁師の方々が傍聴にお越しになっておられます。ぜひとも前向きな御答弁をお願いいたしまして、登壇での質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

◎経済部長(沖山登志雄) 宮戸議員の件名1「産業振興策について」、要旨1「漁業振興と観光振興について」の1点目、飛砂対策については、県が漁業者の意見も受け入れていくことが必要かと思われるが、どうかとの御質問にお答えいたします。
本市といたしましても、砂浜におきますよしずの設置など、砂浜保全のための対策におきましては、海岸を熟知する漁業者の意見やアドバイスを踏まえて取り組むことが必要不可欠なことであると認識しております。このことからも、海岸管理者であります神奈川県とは常に連携を図り、漁業者からの意見が反映されていくよう努め、貴重な資源であります砂浜の保全に協力してまいります。
2点目の自然と調和した砂浜をつくるに当たり、市としてできる対策は何かについてお答えいたします。海岸浸食の問題や美しいなぎさづくりにつきましては、県を中心に相模湾沿岸13自治体が参加して設立されましたなぎさづくり促進協議会におきまして、専門家の意見を聞きながら相模湾全体の問題としてとらえ、さまざまな対策に取り組んでいるところでございます。本市もこの協議会へは積極的に意見を申し入れてまいりたいと考えます。また、あわせて地元漁業者、観光センター、江ノ島水族館、かながわ海岸美化財団、ボランティア団体等、日ごろから海岸を見守っておられる方たちとの情報交換に努めるとともに、クリーンキャンペーンなどを通して多くの市民の方々に海岸環境に対する意識の向上や海岸美化の普及啓発を図り、引き続き美しい海岸形成に努めてまいりたいと考えます。

◎教育総務部長(落合英雄) 私から、3点目と4点目の御質問についてお答えいたします。
3点目の漁師による漁業体験教室などが好評を得ているようだが、教育委員会としてどのように考えているかについてお答えいたします。漁業の体験教室につきましては、市内で複数の小中学校が実施しております。小学校においては、地域の人々の生活や産業について学ぶこと、藤沢の貴重な財産である湘南海岸の海に親しみ、関心を持つことなどをねらいとして、また、中学校においては、総合的な学習の時間に職場体験の一つとして、地引き網、シラス漁や魚のさばき方などの学習を体験しております。漁業の体験教室につきましては、地元の身近なところで貴重な体験ができるということで、児童生徒や保護者から好評を得ております。また、天候に左右されやすいこと、参加者の費用負担の問題など、学校の教育課程の中で行うには難しい点もあるという報告も受けております。
教育委員会といたしましては、現在の子どもたちが実体験の不足を指摘されている中、身近な地域、自然を学習の場とすることで、体験を通した学びが可能になるとともに、そこで働く人々、農業や漁業等の地域の産業への興味、関心を高め、子どもたちが暮らしているこの藤沢への愛着を深めることも期待できると考えております。
漁業の体験教室はもとより、農業体験やさまざまな職種の職業体験等も含めて、各学校がそれぞれに地域の特性を生かした体験学習を実施することが肝要と考えており、こうした体験学習の取り組みにつきましては、活動の充実と広がりを進めるように今後も支援してまいりたいと考えております。
4点目の学校給食に地場の魚介類を使用することについてどう考えるかについてお答えいたします。学校給食で提供している主な魚は、アジ、シシャモ、カジキ、サケ、深海魚のメルルーサなどです。学校給食は、短時間で大量に調理しなければならず、衛生的に取り扱う必要があることから、切り身などに半加工した冷凍のものを保冷車で納品してもらっています。片瀬漁港に水揚げされる魚はイワシ類が中心で、大量に加工する工場もないため、今のところ使用しておりません。
学校給食の食材は、安定供給の確保と一定規格品供給が大切なため、生魚の使用については現状では難しいと考えております。しかし、議員御指摘のシラスの利用については、加工工場に出向き、衛生面、保存状況及び必要量の確保、配送面の問題を確認し、利用が可能であれば、シラスを使った新しい献立などを検討してまいりたいと考えております。海藻類は江の島産ワカメを昨年度から各校で年数回利用し始めました。江の島産ワカメの利用は今後も続けてまいりたいと考えております。
いずれにしましても、漁業、農業を問わず、地産地消の拡大は、生産者の顔が見える、地元の生産物がわかるなど、食育に果たす役割が大きいことから、学校給食で積極的に進めていきたいと考えております。

◎経済部長(沖山登志雄) 続きまして、5点目の観光振興全体の中で地引き網の位置づけや存続についての対策をどう考えているかについてと、6点目の地引き網漁の施設の更新をする際には、県の許可が必要となるが、市としても漁業振興の観点から支援できないだろうかとの2点につきまして、あわせてお答え申し上げます。
地引き網漁は、本市にとりましても大変貴重な産業資源であり、かつ観光資源であると認識しております。しかしながら、議員のおっしゃるとおり、この湘南海岸エリアにおける地引き網漁は、年々廃業へと追い込まれて数少なくなってまいりました。このような状況の中でも、藤沢市の地引き網漁は伝統的な漁法として守られつつ、体験型漁業という新しい沿岸漁業として維持され続けております。これは、ただ現状を甘んじて受け入れるということではなく、各漁業者の皆さんが創意工夫をもって頑張っていらっしゃるあかしでございます。また、将来のことも視野に入れた漁業者の願いというものも認識しております。地引き網漁に必要な施設も老朽化や時世の推移により、建てかえや増改築もされていくものと考えます。市といたしましても、地引き網漁が減少することは極力避けたいところでありまして、現状維持ではなく、将来的にも発展していけるよう、漁業者の意向を十分伺いながら、今後も支援してまいりたいと考えております。
したがいまして、地引き網漁の施設の新築、増改築に関しましては、県の管理する区域内ではありますが、施設の改善等が充実していけるよう、市といたしましても、水産振興の立場から、漁業者の強い要望として漁業組合とともに、県へお話ししてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

◆1番(宮戸光 議員) 前向きな御答弁ありがとうございました。
砂浜の保全について、ぜひ海岸を熟知する漁業者の意見、アドバイスを踏まえて取り組んだり、意見が反映されるよう努めるとの御答弁ありがとうございます。また、地産地消、食育という観点から、シラス加工場などに出向き、利用可能であればシラスを使った新しい献立などを検討するとの御答弁も評価をさせていただきたいと思います。さらには、地引き網漁が将来的にも発展していけるよう、全力での支援、地引き網漁の施設の新築もしくは増改築の際には、施設の改善などが充実していけるよう、市といたしましても、水産振興の立場から漁業者の強い要望については、漁業組合とともに県にお話ししてまいりたいとございました。本日傍聴にいらした漁業者の方々も、本市のスタンスをよくわかっていただいたものと存じます。
それでは、再質問をさせていただきます。
本市の海岸には県所有のサイクリングロードが設置されており、多くの利用者の方々からトイレの必要性を問われます。引地川以東の海岸にはトイレがたくさん設置してございますが、以西には広いエリアの中で3カ所しかなく、新設置は海岸を利用する方々の願いであります。現在は漁業者が設置している仮設のトイレを頻繁に使っている状況であり、海岸管理者である神奈川県に、本市としてその必要性をしっかりと言及すべきであると考えますが、いかがお考えか、お聞かせください。
以上、再質問を終わります。

◎経済部長(沖山登志雄) では、宮戸議員の再質問の引地川以西に、トイレの必要性を市は県へ働きかけることについてどう考えるかにつきましてお答え申し上げます。
引地川以西には、公共トイレは3カ所ございます。1カ所目と2カ所目との間隔は約300メートル、2カ所目と3カ所目との間隔は約1,400メートルでございます。土日ともなれば多くの市民がサイクリングや散策等を楽しみながらサイクリングロードを行き来されております。その中には、トイレが遠いとの理由で地引き網漁の専用トイレを借用される方も少なくないという声を聞き及んでおります。市といたしましても、折に触れ、このような声が上がっていることを県へ伝えてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

◆1番(宮戸光 議員) 市として県へ伝えてまいりたいという御答弁、ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、最後に、意見、要望を述べさせていただきます。
今回、漁業者が要望している施設を新築、増改築する際には、さまざまな形で応用できると存じます。

議会にて

資料4

(資料4を提示)
このパネルをごらんください。これは先日、本市消防レスキュー隊の水上オートバイが海へ出動するときの状況です。鵠沼の消防出張所から134号線を片瀬漁港まで牽引し、漁港内の船おろし場から海水に着水する模様です。水上オートバイは約400キログラムあるそうで、この当日も隊員が力を合わせて遭難者救助に向け作業に取り組んでいる姿には、私も頭が下がりました。
毎年、毎年このようにレスキューが出動しており、2007年度の出動件数は15件、2008年は1月から9月9日までで12件となっております。昨年8月4日には、本市の中学生が引地川の河口で溺れ、行方不明となりました。数日後帰らぬ姿となり発見されましたが、あのときには本市漁業組合の御協力によるものでした。もし今回の地引き網漁の施設が海岸に新設された場合、申し上げましたような事故においても、本部として活用できたり、海岸パトロールの拠点やそのほか海難事故、また急な天候の変化に伴う落雷、突風、津波などから避難をする施設としても活用できます。
ここに平成20年9月10日付の海上保安庁から藤沢市漁業組合の方々への海上保安業務への協力依頼書を預かってまいりました。海上保安庁の巡視艇が日々相模湾内に停泊しておりますが、あれは密入国や不審船を見張るためだそうで、保安庁から漁業組合並びに漁業者へ常時協力の要請が入っているそうです。仮に見知らぬ船や人がいた場合、通報するようになっているとのことで、今回の施設ができた場合は、保安庁の緊急一時使用ももちろん可能だと思います。保安庁の方々の話では、海難や海上災害発生時など、緊急の場合はぜひ使用させていただきたいとのことでございました。
さらには、この施設、食育のための漁獲食材を調理する施設として、またOHPなどを活用した体験型漁業教室、特に先ほどの御答弁では、漁業教室は天候に左右されやすいとございましたので、施設の新設により、この問題も解決できると存じます。本市の漁業は、跡継ぎ問題などの影響で衰退傾向にありますが、漁業教室を通じて子どもたちの関心が高まり、将来漁業者の道を選んでくれるかもしれません。市長マニフェストの言葉をかりますと、体験プログラム、藤沢版キッザニアであります。
このように、教育、観光振興面、産業振興面、また食品の衛生、防災面、防犯面など、ただ単に漁業振興ということだけではなく、多方面からの活用、利用も可能となります。海岸を使用、活用する場合は、海岸法第37条の4で海岸区域を占用する場合、海岸管理者の許可を受けなければならないとなっております。他県を見ますと、その地域、土地なりに海岸が利用、活用されております。お隣の県では、海岸の目の前や海中にホテルや旅館など民間の施設を建設しているケースもあります。神奈川県においても、地域の特性を十分に生かした海岸使用の許可を認めていくことが、将来の湘南につながっていくものと存じます。
本市産業の一部である漁業をさらに発展させるため、最大限のサポートを本市にお願いするとともに、海岸管理者である神奈川県に対しては、漁業者並びに漁業組合の直面している環境、また本市における海を取り巻く複雑な産業構造などを理解いただきたいものです。
いずれにいたしましても、今後、神奈川県と綿密に連絡をとりながら、一刻も早く安定した藤沢の産業振興、漁業振興の邁進をお願いし、一般質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。